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お師匠と林檎には好い思い出がたくさん。 わたしを絵へと 自発的に向かわせた第一の師匠が 初めて目にした私の絵は、色鉛筆による林檎の絵だった。 大学一年の後期、みるやいなや 「きみ美術系の学校へいってたの?」 といってくれた。 高校では普通科の不登校児だったから、びっくりした。 そして極上にうれしかった。 きょうも第二の師匠が 石膏のデッサンをさんざんけなした後 「林檎はすごくいい林檎してるよ」 といってくれた。 林檎はすごくいい林檎してるよ。 あそこにある本物より、すごくいい形だ。 それはたぶん わたしの腕というより林檎がいいのだと思う。 持てばよいかおりがするし(第一のお師匠は手に持って描かせた) おけばとどまって美しいし(第二のお師匠は石膏と並べた) だからもうすっかり魅了されて わたしは夢中になって林檎を描く。 だってほんとうに満たされていると感じる果物だから。 赤いしね。 |
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