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ちかごろの夜は愉しい。 「ちかごろの」というのは、 これからも愉しいかどうかはわからないからだ。 ヘッドフォンをすっぽりとあてて、 絵に没頭して作業したりしている。 部屋中のあかりをつけて (といってもすべて、ぜんぶぼんやりと無力でかわいらしくて意味深) 「罪と罰」を読んだりしている。 フランス語で、 誰に言うでもなく文章を暗唱している。 「この小包を船で送りたいんですけど」とか 「わたしの息子は角のパン屋で働いています」とか。 ほとんどほうじ茶をのみ、 ときどきハーブティを飲んだりしている。 (血流のわるいところをさがして そこに血液を送り込むという、驚愕のハーブが存在する。) 起きているらしい友達のメールを 待ったり待たなかったりしている。 あー、まったくもって愉しい。 昼なんかよりよっぽどいいので 当分は夜生きることにしたい。 |
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