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かかと

 
新宿の朝
わたしは、靴のかかと部分を落とした。
 
何度もとれそうになっているのを
補修していたのに
今朝きゅうにそのときはきた。
 
ヒールにもみたない、
わずか7ミリくらいのゴム製のかかとは
急ぐ私の足から離脱していった。
 
 
なんどもわたしを支えたあのかかとが
足から落ちて
アスファルトによこたわるのを見届けて
 
「ばいばい」
 
といって目的地へと急いだ。
 
 
ばいばい、どうもありがとう。
 
朝いまだ空気の冴える新宿は、しばらくわすれられないだろう。

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2007.07.08 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記



描きたいもの

ここ二、三週間のあいだ
三回ほど石膏デッサンの体験学習をさせていただく。
 
 
そのうちの一回目が月曜でした。
しらないひとだけで構成された空間。
まるでヘルシンキだ。ヘルシンキよりも、難度が高かった。
 
すきな石膏像をえらぶよういわれ、
迷わず女性像を選んだ。
他は、キリッとしたスカーフを巻いた男性と
険しく鎧をまとった高齢の男性だった。
 
わたしのえらんだ女性像のみが、
しっとりうつむいていることが善かった。
 
 
そしてさっそく石膏デッサンがはじまる。
 
先生がいらっしゃるのは午後とのことで
午前中は、しらない他の生徒さんたちの作業を参考にしていた。
(結局なんの真似もしなかったし、できなかったが)
 
 
参考にしていると、わたしの視点は
その人の動作から
その人自身へとうつっていった。
それはもうするすると、自分でも面白いくらいに。
 
つまり、作業観察ではなくて、
そのひとのまなざしや、何度も使われているらしいパネルの汚れ、
石膏とのにらみ合い。丸出しになった鉛筆の芯。
ひいては、そのさきの目標を見据えているであろう脳内。
 
その生徒さんのことのほうがよっぽど描きたい
 
と、はっきり思った。
 
うつむきの善い女性像よりも、
今そこで呼吸をしているその人自身を描きたい。
 
わたしが避けたスカーフの男性のデッサンという課題を
なにかしらの目標のためこなす
そのひと自身の熱と汗と焦燥感の素晴らしさやいかに!
 
 
そのひとの今のその一呼吸を捉える一枚を描きたい。
それができれば、わたしはそれでよいのだ、ということを
石膏デッサンから学ばせていただきました。
 
 
のこり二回の体験でも
おなじようにもどかしくなるのだろう。
 
動かない対象よりも、
それを課題として背負う生徒さんの一呼吸のほうが
魅力的で危うくて、愛しくて善いだろう。

2007.07.08 | | コメント(2) | トラックバック(0) | 思いこぼれ



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プロフィール

九屋あんず

Author:九屋あんず
脚本、イラスト、文筆など。
1988/03/31生まれ。 
公式サイト
ここやあんずにInterview

写真撮影:栗原大輔さん
メイク:都築孝子さん

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