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かばんの内ポケット。
特に祖父はそれにこだわりをもっていて ファスナーつきでなければいやだというひとなものだから 母は父の日に困っていた。 わたしはキャメル革のかばんをプレゼントに薦めたが 「それファスナーのついた内ポケットある?」 と、母に問われて、絶望的だと思った。 キャメルの革鞄にファスナーのついた内ポケット!? かく言う母も、 ファスナー内ポケットへの信頼は厚い。 そこに鍵とか大切なものをいれておけば安心だという。 とくに鍵に関しては、かばんのなかを探さないですむから良いのだそう。 一方わたしは気にしない派。 ぱっくりと口を開けたシンプルな帆布のトートも 儚すぎる弱さで咲くパーティーバッグも好い。 しかしそれらは安全面において 祖父や母には門前払いを食らうだろう。 結局、母は悩んだ末 わたしがべつに薦めておいたハンドメイドの時計を祖父に贈った。 それについても最初、母は 「これおじいちゃんにはゴツゴツしすぎている」 なんていっていたのに、いざ時が迫るとそれを購入したらしい。 どんなものであっても、 娘から貰った物なら嬉しいだろうから、 悩む母を見ながらわたしは善い意味で「何を贈るかなんてどうでもいい」と思った。 それでも母は悩み考えあぐねていたから 「最後にあたしの名前を出せばいいよ」と言っておいた。 娘の娘が選んだ物なのだ。 文句は言わせない。 |
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